人々の営みに学ぶ
里のくらしをテーマとして展示する民俗展示室は、城南町域の昭和20年代後半から30年代後半までの農家のくらしを再現しています。農家の間取りを再現し、炊事場・味噌部屋・居間・土間・小屋(納屋)それぞれに関連のある資料を展示しています。
人々の営みに学ぶ
- 01機を織る
農家では、昭和30年代のはじめ頃までどこの家にも機やそれに関連する道具がありました。ここ城南町域は養蚕が盛んで、多くの養蚕農家がありました。
製糸会社も数社見られ、農家が生産した繭はこれらの会社に出荷されていました。出荷が終わると残ったくず繭から糸をとり、機を使って織った反物で普段着を作っていました。- トップに戻る
- 02居間
居間には嫁入り道具の黒ダンスが置かれ、常備薬を入れる薬箱が載せられています。薬は定期的に薬の行商人が入れ替えに来ていました。
暖房器具が発達していなかった頃、暖を取る道具として火鉢は欠かせないものでした。また寒い季節には、ご飯が冷えないように藁で作ったオヒツ入れ保温しました。
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- 03小屋(納屋)
小屋の中には、一年間に使用するたくさんの農具が保管されています。それらは大切に保管され、必要なときに取り出して使われました。田植えから収穫まで様々な道具があり、ひとつひとつが長い間培われてきた農業の経験から生まれたものです。鍬はその土地によって角度や歯の状態が異なり、押しガンヅメ(水田の除草用道具)は、正条植えの普及によって生まれたものです。
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- 04炊事場
釜屋と呼ばれる炊事場にはカマドがあり、電化製品が普及していなかった頃は、炊事はカマドを使って行われました。炊飯や汁もの・煮物の調理は、羽釜やつる鍋が使われました。石臼を使って大豆や小麦を挽き、自家消費用のきな粉や小麦粉を作りました。飲料水は、釣瓶を使って井戸からくみ上げられ、カンスと呼ばれる道具でお湯を沸かしました。陶器製のこねばち・すり鉢も調理具として大事な道具です。
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- 05土間
農家には、道具の保管や作業場として使用する土間がありました。自家生産したもち米を使った正月の餅つきは、暮れの一大行事で、1日がかりで行われました。また畑や田んぼの仕事がない冬場には、収穫した藁を使って縄を作るために、土間では藁打ちが行われていました。靴が高価だったため、日頃履くワラジも自家生産されていました。米の量を測る枡やチキリも見られます。
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- 06味噌部屋
昭和30年代頃まで農家では、自家消費用の味噌・醤油はほとんど各家々で生産していました。自ら収穫した麦や大豆を使って一年分の醤油や味噌を作っていました。作った味噌や醤油は陶器性の甕や壺に入れて、味噌部屋と呼ばれる暗くて涼しい場所に保管しました。
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